施設入所に向けたお部屋づくりの実例

~介護環境整理収納アドバイザーの視点から~

これから施設入所をはじめる方のお部屋をプランニングしました。
日常生活は全介助で、車椅子を利用されている方です。
限られた空間のなかでも、安心して過ごせるように。
小さな工夫を重ねて、居心地のよいお部屋を考えていきました。

必要なものを、必要な分だけ

お部屋は約6畳ほど。
ここに日々の暮らしに必要なものをすべて収めます。
まずは「本当に必要なものは何か」を一つずつ整理していきました。

洗面まわりの道具やタオルなどのリネン類は共用スペースにあるため、
個室には身のまわりのものを中心に。

介護ベッドはもちろん、洋服や下着・靴下、本やCDなど、
その方の「日常」を感じられるものを置けるようにしました。
テレビやDVDプレイヤーなどの娯楽も大切な時間をつくります。

オムツやケア用品は個別に注文されるため、
すぐ取り出せるストック置き場も計画しました。
出しっぱなしにならず、清潔に保てるように。

介護動線に寄り添う家具の配置

車椅子からベッドへ移乗しやすいように、ベッドの横は広めに。
介護リフトを使う場合にも、余裕をもったレイアウトを意識しました。
電動ベッドを設置する際は、コンセントの位置も確認が必要です。

着替えやオムツ交換など、ベッド上でのケアが多いため、
必要なものがすぐ手の届く場所にあるように。
介助をする方にとっても、動きやすく、見渡しやすい配置が大切です。

ベッドを使っていない時間の車椅子の置き場も忘れずに確保しました。
高さのあるロッカー収納を組み合わせ、
できるだけ床を広く見せる工夫をしています。

家具は白を基調に。
お部屋全体が明るく、やわらかい印象になるようにしました。

プランニングでは、イケアの「IKEA Kreativ(イケア クリアティーヴ)」を使い、
実際の部屋サイズを入力してバランスを確認しました。
画面上で空間を見渡せるので、動線の確認にも役立ちます。

収納の工夫

介護環境整理収納アドバイザーとして大切にしているのは、
「誰が見ても、どこに何があるかわかる」こと。

入所施設では、パート・正職などさまざまな職員さんが
24時間体制で働かれています。
どの方が入ってもすぐに必要なものが取り出せることが、
介助のしやすさにつながります。

収納のポイントは次の通りです。

  • 一目で見渡せる衣類収納
  • オフシーズン服のまとめ置き(衣替えが簡単に)
  • 日常使いのストック置き場
  • 車椅子・補装具の定位置
  • 羽織りを掛けておける小さなスペース
   部屋のレイアウトを簡単に図にしました。

実際のプラン例

オンシーズンの洋服は、すべて見える位置に配置。
オフシーズンの衣類は、左側の扉の中にまとめました。

右側の扉には、アウターを掛けるスペースを設け、
おむつやシートのストックもすっきり収納。
補装具を外した際に一時的に置ける空白スペースも確保しています。

お部屋には車椅子を置く余裕もあり、
介助動線が自然に整いました。

おわりに

入所後の暮らしは、ご自宅とは違うリズムになります。
けれども、「どこに何があるか」がわかるだけで、
介助する人もされる人も、心に少しゆとりが生まれます。

整理収納の工夫で、介助の時間を少しでも短く。
その分、利用者さんが穏やかに過ごせる時間を増やしていけたら──
それが、介護環境整理収納アドバイザーとしての願いです。

新しい暮らしのスタートに。
お部屋づくりを見直してみるのも、ひとつのきっかけになります。

ご家族の方も、どうぞお気軽にご相談ください🌿

「どう片付けたらいいのか分からない」「我が家にあった収納方法って?」など、個別の悩みもプロと一緒に考えるとスムーズに進みます🌱
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