🌾 乾物とのつきあい方

―“海”と“山”を分けたら、暮らしが静かに整った―

あるとき、整理収納に興味のある方が我が家を訪れたときのこと。
「乾物を“海と山”で分けているんですか?」と、
少し驚いたように目を丸くされました。

でも、特別な工夫というほどのことではありません。
暮らしの中で、少しずつ形になっていった、
わたしなりの“ちょうどいい仕組み”なのです。

やってみて、やめて、気づいたこと

結婚したばかりのころ、乾物の残りはスーパーの袋のまま輪ゴムで留めて、
カゴにまとめて入れていました。
気づくと、色が変わっていたり、
奥に入り込んで存在を忘れていたり。

「見た目をきれいにしたい」と思って詰め替えたこともあります。
瓶に移して並べてみましたが、瓶が大きすぎて酸化が早く、
空き瓶が場所を取ってしまうという新たな悩みが発生。

何度も試して、ようやく気づいたのです。
続く収納は、“きれいさ”よりも“気楽さ”が大事だということに。

海と山に分ける

ある日、ふと思いました。
ひじきや昆布は“海のもの”、
干し椎茸や切り干し大根は“山のもの”。

ならば、同じ性質のものを同じ場所に――。

それから、乾物を「海の箱」と「山の箱」に分けるようになりました。
大きな分類でも、意外と困りません。
むしろ、使うたびに迷わず戻せる心地よさがありました。

「考えなくても動ける」――
それが、いちばんの続けるコツなのだと思います。

海の乾物は、乾燥剤とともに

ひじき、昆布、わかめ、煮干しなどの海の恵みは、
湿気が大の苦手。

密閉容器に乾燥剤を入れ、温度を一定に保つようにしています。
開封後は、1〜2か月で使い切るのが理想。

山の乾物は、光を避けて

干し椎茸や高野豆腐、切り干し大根などの山の恵みは、香りが命。
光や高温で香りが飛んでしまうので、
遮光瓶や紙袋に入れて、冷暗所で保存します。

干し椎茸は一度に戻して、小分け冷凍。
忙しい日の夕方、「あ、もうある」と思えるのが嬉しい瞬間です。

我が家の乾物棚

 今日の棚の画像。セリアで見つけたマスキングで賞味期限を書いてみる実験中。

無印良品の「粉もの保存容器」を使い、
“海”と“山”とラベリング。

海の箱には、ひじき・わかめ・桜エビ・刻みのり・煮干し。
山の箱には、切り干し大根・きくらげ・ごま・柚子粉・えごま。

海に近い親せきが送ってくれる出汁昆布は、大きいのでハサミで切って大きめ容器に保存。
干し椎茸は戻して小分け冷凍。
高野豆腐は使い切り。
大豆や干し牡蠣も戻した後に小分けにして冷凍しておくと、ムダがありません。

容器をそろえると、棚の中も落ち着いて見え、
開けるたびに気持ちが整います。

収納とは、
見た目を整えることよりも、
続けられる仕組みをつくることなのかもしれません。

乾物とわたし

乾物は、手間のかかる食材だと思っていました。
でも、少しの工夫で、毎日の料理を助けてくれる存在に変わります。

「あと一品」「もう少しだけ」のときに頼りになる。
そして、何よりも保存する仕組みそのものが、
暮らしをやさしくしてくれる気がするのです。

「考えなくても動ける」――
それが、いちばんの続けるコツなのだと思います。

おわりに

暮らしの工夫は、誰かに見せるためではなく、
自分が心地よく動けるためのもの。

乾物を“海”と“山”に分けたら、
台所の時間が少し静かになり、
棚の中に、穏やかな風が流れるようになりました。