新築プラン相談
「シングルワーママ・障害のある子どもと暮らす家」
今ある家を建て替えるということで、暮らしやすく散らからない家を一緒に考えました。
成人をすでに迎えている障害のある2人の息子さんと健常の娘さんがひとりいるご家庭でした。
具体的にどうしたいのか全くわからないということで、今あるモノをどうしていきたいのか、何が困っていてどう暮らしていきたいのかなど、たくさんたくさん話して無意識なことを明確にしていきました。
自分で出来ることはする。そのために環境を作り、家族・ヘルパーさんみんなで家事をまわせること。
家族がとても仲良く触れ合いじゃれあっているような姉弟。この素敵な関係はこのまま維持できるような環境。
息子さんたちからは、「個室が欲しい」という希望がありましたが、見守りも必要。ということでリビングの一部に畳スペースをつくり、その両側にそれぞれ兄弟のスペースを設ける間取りを提案しました。それぞれのスペースは小さめですが、吹き抜けにしたので解放感があります。個々のベット上でプロペラファンが回る個室のような素敵なスペースです。車椅子で動け、洋服をかける場所を作り自分で管理できるようにしました。畳スペースと同じ高さのベッドをそれぞれ配置して、擦り這いしながら自分で横になれるように造作でベットも作ってもらいました。車椅子からのベット移乗もしやすいよう、高さは慎重に決めました。
また、今あるモノを確認していた際に、仕舞い込んでほとんど飾ることのなかった雛人形や五月人形を見つけ、娘さんが嬉しそうに見ていたという話を伺いました。
「じゃあ、捨てずに飾らない?」ということになり、玄関内にスペースを設けることにしました。「季節の装飾をするスペース」としたので「節句人形を飾るその前に片付けてスペースを確保する」という面倒な手間が省け、「節句人形を飾る」ハードルが下がりました。季節外に収納場所も玄関に設けたのでしまうラクになりました。
息子さんが賞をとった作品や家族の思い出のイラストなども出てきたと懐かしがる様子に「じゃあ、それも飾らない?」と提案し玄関にスペースを確保しました。
もともとは、先祖代々をお祀りする立派なご仏壇がありましたが、新しいおうちでは、お仏壇もこのご家族独自の場所にあります。
玄関から室内に入ってすぐ目に入る場所、「ただいま」と一番に言える場所がお仏壇スペースです。
高さも車椅子対応です。
多量にストックするオムツなどは、トイレに大きな収納場所を設けました。
洗面・浴室はヘルパーさんも利用しやすいように広く配置しました。きれい好きの娘さんがわかりやすいようにラベリングしてあります。
埃だまりになりやすい階段には、上り下り両方の壁にクイックルワイパーを掛けられるスペースを作り、ついで掃除がしやすいようにしました。
具体的に空間をイメージできるようにイラストやミニチュアを作ってそこに暮らしているのを想像してもらいながら進めました。
もちろん、風の流れや防犯も考慮しました。
フルタイムでお仕事されているワーママですが、家事を皆で分担しながら、今でもとても綺麗に暮らしていらっしゃいます。
お子さんたちもとても充実した毎日を過ごしていて、いつでも楽しそうに暮らしていらっしゃいます。
無意識に思っていることを明確にすることで、苦手なことや本当は何がしたかったのか等がわかります。面倒に思うことも好きと思う人やモノも人それぞれ皆んな違います。自分たちだけの間取りや配置で快適で毎日楽しいと思える日々を手に入れませんか?